知性・教育・批評・情報社会批評

知性は単に論理的な力ではなく、人間性と倫理とを結ぶ指標である。悪知恵の蔓延を批判し、建設的な知性の発揮を促す論考。公的な議論を健全に保つための方策を探る。

治安の良さとは、単に[ルールがあり皆が守る]状態ではなく、問題が起きたときに言語や振る舞い、ルールといった依り代を通じて対処できることではないか。日本語という社会的文脈と民主主義・資本主義の関係から、治安と平等のあり方を考える随筆。

情報技術があらゆる壁を越える社会で、[理を整える＝整理する]ことは、しばしば誰かに都合のよい秩序を生む。混乱と安定、説明と方針、そして線引きとしての[壁]のあり方を、情報社会における生存の理から考える随筆。

義理は人情を縛るものではなく、ぐちゃぐちゃになりがちな情に形を与える秩序ではないか。日本の[義理]と西洋宗教の役割を対比しつつ、バズや炎上が情の依代を失った現代において、人情をいかに交えるかを問う随筆。

[端的に]という言葉を多用してきた自身のコミュニケーションを振り返りながら、解像度を落とすことと、そもそも何を枠組みとして切り取っているのかという問題を考える。ビジネスで有効な端的さが、視野の狭さにもつながりうることについての随筆。

[死ぬ気でやっても死なない]という言葉の裏で、本当に心血を注いで苦しんでいる人は少なくない。自分を守るための“適当さ”と、自分や他者、未来の自分に深く関わる事柄へ[死ぬ気]で向き合う心意気。そのせめぎ合いを考える随筆。

批評とは作品の善し悪しを判定するだけの営みではなく、[何をどう感じるか／感じないか]を言語化する技術でもある。批評の死が語られる現代において、その意義と若い世代への継承について考察する短い随筆。

批評が消えたと言われるSNS時代において、[相手の論に沈むように耳を傾ける]批評的態度とは何か。滅私の対話姿勢と、公私の境界について考察する短いエッセイ。